※投資助言ではなく、あくまで僕の意見をただ連ねているだけなのでご了承ください!
今週の相場格言
「悲観の中で買われ、懐疑の中で育ち、楽観の中で実りを迎える」
【Stock With流の解説】 投資の神様ウォーレン・バフェットが師と仰ぐジョン・テンプルトンの言葉です。3月、イラン危機で日経が続落する中で「打診買い」した伊藤忠。あのときは正直、周りも「まだ下がる」という懐疑的な空気でした。現在もまだ含み損の状態ですが、今週の決算発表で「懐疑の中で育つ」フェーズに入った手応えを感じています。あとは「実り」を待つだけです。
今週の相場振り返り
みなさん、今週もトレードお疲れさまでした!
今週の最大のイベントは、なんといっても決算シーズンの本格化です。国内では伊藤忠商事、三菱商事、三井物産など商社大手が一斉に通期決算を発表。米国もアップル、アマゾンをはじめとしたビッグテックが続々と数字を出してきました。
全体的には「思ったより悪くない」という安心感が広がり、週を通じて底堅い動きとなりました。中東情勢への警戒感は根強く続いていますが、「戦争が長引いても企業は稼ぎ続ける」という現実を市場が受け入れ始めているように感じます。
伊藤忠商事(8001)決算速報と今後の戦略
さて、今週のメインテーマはこれです。3月に打診買いした僕の保有銘柄、伊藤忠商事の本決算が昨日(5月1日)発表されました。
ファンダメンタル面:結論から言えば「文句なしの合格点」
発表された内容をまとめるとこうなります。
26年3月期(実績)
- 当期純利益:9,002億円(前年比+2.3%)
- 収益:14兆8,231億円(前年比+0.7%)
- 1株配当:42円(実績)
27年3月期(来期見通し)
- 当期純利益:9,500億円(前年比+5.5%)→ 3期連続過去最高益更新の見通し
- 1株配当:44円以上(12期連続増配)
- 自己株買い:3,000億円以上を今期中に実施予定
- 総還元性向:64%(前期52%から大幅に引き上げ、過去最高水準)
市場予想のコンセンサス(9,419億円)を上回る来期見通しを出してきた点も非常にポジティブです。
懸念材料として中東情勢(純利益ベースで75億円の減益要因)は織り込み済みで、さらに景気悪化に備えた400億円のバッファーまで見通しに入れているというのは、経営の保守的な姿勢として好感が持てます。CFO自身が「必ず達成したい」と明言している点も頼もしい。
「利は川下にあり」をスローガンに、ファミリーマートを軸とした生活消費関連ビジネスや、非資源(機械・繊維・食料)の安定した稼ぎが強みです。資源価格の波に左右されやすい他の商社と比べて、この構造的な強さは今後も継続すると考えています。
テクニカル面:決算翌日の「窓開け」をどう見るか
決算発表直後、伊藤忠株は一時前日比+5%の急騰を見せ、終値は+3%で着地しました。
これはよくある「好決算→窓開け陽線」のパターンです。問題はここから。「事実で売られる」リスクをどう見るかです。
- 4Qの単体業績(1〜3月期)は前年同期比4.3%減。直近四半期の数字は決して強くない
- 株価は年初来高値(2,286円)から大きく調整し、現在はおおよそ1,900〜2,000円前後のレンジ
- 今後は50日線や75日線付近での攻防が焦点になる
個人的には、「即売りするほど弱い材料はない」が「無条件にホールドすれば良い」とも言い切れない、絶妙なポジションだと思っています。
僕の今後の戦略:含み損を抱えつつ、ホールド継続
3月に打診買いをしてから、現在もまだ含み損の状態が続いています。なかなかにしんどいですが、今回の決算内容を受けて今後の方針はこうです。

ホールド継続の条件:決算後の窓開けから数日以内に陰線3連続や包み足が出なければ基本はホールド。まずは含み損の解消を最優先に。
損切りのトリガー:50日線を明確に割り込んだら感情を捨てて撤退します。「お祈りトレード」だけはしない、これが過去の反省から学んだ鉄則です。
回復後の出口:含み損が解消されて含み益に転じたら、2,000円〜2,100円の節目で一部利確を検討。焦らず段階的に対応します。
バークシャー・ハサウェイが10%超を保有しているという事実は引き続き強力な「下支え材料」です。急落時には世界中の機関投資家が買い向かってくる構造があるので、そこまで悲観する必要もないでしょう。
今週のニュース
NISA貧乏は「お金持ち」への着実な道?
「NISA貧乏」という言葉が話題になっています。20代のNISA開設率はまだ25%程度にとどまっているそうで、まだまだ残り900万人の若者がNISAを活用していないという現実があります。
この言葉、「将来のために今を削ってしまっている」という批判的なニュアンスで使われることが多いですが、僕は少し違う見方をしています。NISAの積立は「将来の自分への固定費」だと割り切れれば、精神的にもずっと楽になれる。問題なのはNISAそのものではなく、今の生活と将来の投資の優先順位を、自分の頭で整理できているかどうかだと思います。自己投資(スキルや体験)と長期積立のバランス、これが若い世代にとっての本質的な課題ですね。
戦争で経済が「強くなる」国——イスラエルの逆説
「なぜ今、イスラエル経済が好調なのか」という記事が非常に興味深かったです。2025年からのイランとの軍事衝突で、自国の防衛・ハイテク産業が世界市場に実力を証明する機会となり、国際的な資本流入が増えているとのこと。通貨シェケルは歴史的な高水準まで上昇しています。
正直、「戦争で経済が強くなる」という構図には複雑な気持ちになります。ウクライナでも似たような話を耳にします。防衛産業への投資や国際的な評価向上という側面が確かにある一方で、それを「経済成長」として喜んでいいのか、投資家として立ち止まって考えさせられる記事でした。
川崎重工の病院ロボット——現場DXの静かな進化
川崎重工業が日本医科大学千葉北総病院で屋内配送ロボット「FORRO(フォーロ)」の運用を開始したというニュース。地味なニュースに見えて、個人的には注目しています。医療・物流・インフラの3分野にまたがる「現場DX」は、AI関連のド派手な銘柄ほどには注目されていませんが、着実に積み上がっている実需のある成長領域です。川崎重工は防衛・宇宙・水素など強い事業を多く持っているので、中長期でウォッチしていきたい銘柄です。
フォードの「クラスB株」——日米の株式設計の自由度の差
米国市場では、創業者が議決権の高い株式を手元に残し、株式市場からの資金調達と経営の独立性を両立させる「複層的な株式設計」が一般的です。GoogleのA・B・C株、SnapのクラスA株(議決権ゼロ)などが代表例として取り上げられていました。
日本はこの辺りの柔軟性がまだ限られていますが、最近は上場制度の見直しなどで少しずつ変わってきています。「企業の理念を長期的に守る」という観点での株式設計の意義は理解できますし、これは投資家としても「どの株を買うのか=誰に経営を任せるか」という視点につながります。
イラン危機でも攻める信越化学——「塩ビ」という逆張り投資
イラン危機によるナフサ不足で国内の化学メーカーが苦戦するなか、信越化学が塩ビ事業に約5,400億円の巨額投資を発表したというニュースです。
記事でも触れられていましたが、信越化学の強さの源泉のひとつはシリコンウェーハ。半導体向けウェーハは日本企業が世界シェアを握っており、イラン戦争の影響をほとんど受けていないどころか、防衛・宇宙関連の需要増で追加受注まで発生しているとのこと。
一方で塩ビ(塩化ビニル)については、中国勢の供給過剰で価格競争が激しく、主要マーケットである米国の住宅市況も冷え込んでいる。それでも「石油不足が長期化すれば、米国内で現地生産する信越の塩ビに競争力が出る」という長期読みでの投資判断は、なるほどと唸らされました。ただ、中国勢との差別化がどこまで持続するかは引き続き注目です。現金をめちゃくちゃ持っている会社でもあるので、財務面での安心感は抜群ですね。
編集後記
3月に「嵐の中の打診買い」として仕込んだ伊藤忠、現在も含み損が続いていて、正直まだ苦しい状況です。ただ今回の決算を見て、「買った根拠は間違っていなかった」という確信は深まりました。あとは市場がそれを正しく評価してくれるのを、腹を括って待つだけです。
焦って損切りするのでも、お祈りしてズルズル保有するのでもなく。決めたルールを守りながら、次の「実り」に備えていきます。
来週も、チャートと向き合っていきましょう!
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