【'26/6】③損切りした瞬間、、~後悔しない損切りにするために~

【'26/6】③損切りした瞬間、、~後悔しない損切りにするために~

今週の相場格言

見切り千両

【Stock With流の解説】
「損切りは千両に値する」という、相場の世界で最も有名な格言の一つです。含み損が出た時に、躊躇なく損切りできる判断力には、千両(≒数億円)の価値があるという意味ですね。

ただ、この格言の本当に怖いところは——切った後に株価が反発しても、その損切りの判断は「正しかった」と評価されるということ。「切らなければ儲かったのに…」という後悔は、相場の世界では一番の毒です。今週の僕は、まさにこの格言を噛みしめる一週間になりました。

今週の相場振り返り

みなさん、今週もお疲れ様でした。今週は、なんと言ってもドル円が161円台に乗ってきたのが衝撃でした。約2年ぶりの円安水準です。

背景にあるのは、FOMC(米連邦公開市場委員会)でのタカ派姿勢。政策担当者9人が「年内利上げが必要」と予想したことで、ドル買い・円売りが一気に加速しました。市場は9月までの利上げ確率を68%まで織り込んでいるとのこと。

中東情勢は、ホルムズ海峡再開の合意で一旦アジア市場は5%超の急騰。ただし「価格上昇の影響、本格化はこれから」というのが共通認識で、油断はできません。

そんな中、僕は手痛い「気づき」を得ました。

今週のメインテーマ:明電舎を切った後に、明電舎が走り出した

正直に言います。先週、損切りした明電舎(6508)が、今週ずっと上がり続けました。リエントリーすべきだったのに、それすらできなかった——これが今週の最大の反省です。

これ、株をやっている人なら一度は経験するやつですよね。「切った瞬間に上がる」「待ってたら戻ってきた」。本当に悔しいし、相場の神様に試されている気分になります。

でも、「損切り自体」は間違ってない

ここで強調しておきたいのは、先週の損切り判断は、ルールに従った正しいトレードだったということ。1月の日産で「お祈りトレード」をしてダメージを負った経験を経て、僕は「割ったら切る」というルールを自分に課しました。今回の明電舎も、そのルールを機械的に実行しただけです。

問題は損切りではなく、その後の「再評価」を怠ったこと。下げ止まって反発の兆しが出た時に、もう一度ファンダから見直していれば、リエントリーのチャンスはあったはずです。

じゃあ、なぜ明電舎は上がったのか?(ファンダ深掘り)

悔しさのままにせず、しっかり分析します。今週、明電舎が走った理由は大きく3つあります。

① 国内大手証券のレーティング格上げ&目標株価引き上げ
今週、国内大手証券が明電舎のレーティングを最上位に据え置きつつ、目標株価を増額しました。これが直接の上昇トリガーです。

② データセンター・AI半導体ローテーション
キオクシアなど半導体メモリーが過熱感を見せる中、市場の資金が「半導体本体ではなく、それを支えるインフラ側」に流れ始めています。明電舎の変電機器・電力インフラ事業は、まさにデータセンターの裏方として爆発的な需要を取り込めるポジション。AIブームの「ツルハシ銘柄」として再評価されたんですね。

③ BCP需要×中期経営計画2027
明電舎は中期経営計画2027で、非常用発電機などの生産能力を1.5倍に引き上げる方針を明示しています。災害・停電リスクへの備えを重視する企業・自治体のBCP需要が追い風。実際、2026年3月期は売上高3,261億円(前期比+8.3%)、営業利益271億円(+26.1%)と、しっかり結果も出している。

ファンダ的には、損切りした時点ですでに買い直しの材料は揃っていた、というのが正直なところです。

学び:「切る」と「諦める」は別物

今週の学びを言葉にすると、これに尽きます。

損切りは「正しい判断」、でも「もう見ない」は思考停止

切った銘柄は感情的に避けたくなりますが、それは「自分のミス(と感じるもの)」から目をそらしているだけ。切った後こそ、フラットな目で再評価できるチャンスでもあるんですよね。次からは、損切りした銘柄も翌週のウォッチリストに必ず入れる、というルールを追加します。

来週のウォッチリスト

  • 三井住友トラスト(8309):FRB利上げ観測×日銀追随観測で銀行株に追い風。
  • SHIFT:底打ち確認のシグナル待ち。

今週のニュースダイジェスト

① ドル161円台、約2年ぶりの円安水準

FRBのタカ派姿勢で、ドル円が161.45円まで到達。1986年以来の高値である161.99円が目前に迫っています。

正直、円安が止まらないですね…。「なんでドルの金利が上がると円安になる?」って思う方もいるかもしれませんが、シンプルに金利の高い通貨にお金が集まるから。米利上げ観測がそのまま円売り圧力になります。 日本も「金利が上がるだろう」という期待で、今は銀行株がしっかり買われているのもこの流れと表裏一体です。

② ホルムズ再開後も、インフレ圧力は続く

米イラン合意でホルムズ海峡が再開へ。アジア市場は素直に5%超の急騰で歓迎ムードです。

ただし注意したいのが、「価格に反映されるタイムラグ」。実際に生活レベルの物価に影響が出てくるには時間がかかります。一方で、株価には一瞬で反映されるのがマーケットの怖さ。肥料・ナフサ不足の影響は下流へ波及していくとされていて、年末まで余波が続く可能性は織り込んでおきたいです。

③ キオクシアに「50%の下落余地」とバーンスタイン

時価総額日本トップに躍り出たキオクシア(年初来上昇率807%)に対して、米バーンスタインが現在の株価から50%の下落余地を指摘しました。

短期的なモメンタムで目標株価は1.7万円→4万円に引き上げ、ただし投資判断は「アンダーパフォーム」据え置き、というかなり捻れたレポート。**「上がるけど、ファンダ的には割高」**という見方ですね。NAND価格は27年ピーク、28年末には粗利率が30%台に正常化するというのが彼らの基本シナリオ。

僕個人の感想としては、こういう**「下落余地」を常に頭の片隅に置きながら持つ**姿勢が大事だなと思います。盲目的に「上がってるから安心」ではダメ。

④ 韓国ファッションユニコーン「MUSINSA」が興味深い

韓国の若者消費を動かす「올다무(オルダム)」——オリーブヤング、ダイソー、MUSINSAの頭文字の造語。その一角MUSINSAは未上場で企業評価額3700億円、2025年売上1560億円(前年比+18%)のユニコーンです。

注目すべきは、ECだけじゃなくてオフィス・撮影スタジオ提供、ブランド投資、海外進出支援まで丸ごとやるエコシステム型のビジネスモデル。いろんなベンチャーを支援する「プラットフォーマー型」の事業構造、これからのファッション業界の主流になりそうで個人的に注目しています。日本だとどこが該当するんだろう…?

編集後記

「見切り千両」と頭ではわかっていても、切った後に上がる相場を見るのは精神衛生上よくないですね(笑)。でも、これを乗り越えてこそ次のステージかなと思っています。

それでは、来週も頑張っていきましょー!

おまけ:「リエントリー」の3つの判断基準

今週の反省を踏まえて、損切りした銘柄に再エントリーする時の判断軸を整理しておきます。

① 損切りの「原因」が解消されたか?
そもそも何がきっかけで下げたのか(決算ミス?地合い?セクターローテーション?)。その原因が消えていない限り、リエントリーは早すぎ。

② 新しい「上昇トリガー」が出たか?
レーティング格上げ、新規受注、決算上振れ、テーマ性の再燃など、ポジティブな材料が出ているか。今回の明電舎は「目標株価引き上げ」がまさにそれでした。

③ 損切りラインを再設定できるか?
リエントリー時点で「ここを割ったらまた切る」というラインが明確に引けるか。引けないなら、まだエントリーすべきタイミングではない。

一度切った銘柄に戻るのは恥ずかしい」という心理を捨てるのが、上達への近道です。プロは平気で同じ銘柄を何度も売買します。僕も、メンタルブロックを外していきたいと思います。