相場格言
『株価は未来を映す鏡』
【Stock With流の解説】 株価は「いま」の業績ではなく、半年〜1年先の未来を織り込んで動く——という相場の大原則です。決算発表で「過去最高益!」と出ても、市場が「未来は減益だ」と判断すれば容赦なく売られる。今週はまさに、この格言の怖さを身をもって体感した1週間でした。過去の数字に酔って未来を見落とした僕の失敗談を、包み隠さずシェアします。
今週の相場振り返り:決算ウィークの洗礼
みなさん、今週もお疲れ様でした! GW明けからいきなり決算ラッシュに突入し、緊張感マックスの1週間でしたね。中でも僕の保有しているトヨタ、そしてずっと注目していた任天堂の本決算が両方とも8日に発表され、しかもどちらも市場の反応はネガティブ……というダブルパンチを受けた週でした。
正直に言います。今週は完全に「外れくじ」を引きました。 決算前にもっと深く調査して、来期見通しのリスクを織り込んだ戦略を組むべきだった。この記事を反面教師にしていただければ嬉しいです、、、。
銘柄深掘り①:トヨタ自動車(7203)〜売上50兆円、それでも市場は冷ややか〜
僕が打診買いから握り続けているトヨタ。8日の本決算は、まさに「数字は派手、中身はシビア」という内容でした。
26年3月期 決算サマリー
- 売上収益:50兆6,849億円(前期比+5.5%)→ 日本企業として初の売上50兆円超え
- 営業利益:3兆7,662億円(前期比▲21.5%)
- 当期純利益:3兆8,480億円(前期比▲19.2%)
- 米国関税の影響:▲1兆3,800億円
数字だけ見れば、売上50兆円超えは紛れもない歴史的快挙です。ですが、中身は関税で1兆円以上の利益を吹き飛ばされた「もらい事故」決算でもありました。
27年3月期見通しがエグい
問題は来期の見通しです。ここが市場の判断を完全に左右しました。
- 売上収益:51兆円(前期比+0.6%)
- 営業利益:3兆円(前期比▲20.3%)
- 当期純利益:3兆円(前期比▲22.0%)→ 3期連続減益
市場予想(IFISコンセンサス)の税引前利益を24%も下回る保守的な見通し。為替前提も1ドル150円とやや堅め設定で、市場が「最低でもこれくらい出す」と織り込んでいたラインを下回る数字が並びました。
株価の現在地(テクニカル面)
8日の取引時間中に年初来安値を更新し、終値2,913円。3月にイラン戦争開始直後につけた最高値3,944円から、わずか2か月で約26%下落しています。
ただ、ここからが面白い。今後12か月予想ベースのPERは9.4倍程度まで切り下がっており、前回決算前(11.7倍)から見ても明らかに割安ゾーン。アナリストの目標株価平均は4,070円(現株価から+36%)、24人のアナリストのうち**19人が「買い」**を推奨しています。
反省:もっと調査して、リスクを織り込むべきだった
正直に言うと、僕は「為替が円安だから自動車は買い」「3月決算は5月だから持っとけば上がる」という、過去の延長線の発想でホールドしていました。でも、市場が見ていたのはとっくに来期の関税影響です。
- 関税が業績に与えるインパクトを甘く見ていた
- 27年3月期見通しが市場予想を大きく下回るリスクを織り込めていなかった
- 「トヨタブランド」への過信があった
これは完全に僕の調査不足です。同じ自動車セクターで、決算前にポジションを軽くしていた人もいました。読者の方には「決算をまたぐなら、最低でも市場コンセンサスと自分の見立てを比較する」ということを、僕の失敗から学んでいただければと思います、、、。
それでも握る理由(と撤退ライン)
含み損は痛いですが、ここから売るかどうかは別の話です。
- 稼ぐ力:関税1.4兆円を食らっても営業利益3.7兆円を叩き出す圧倒的な体力
- 電動車:HEV・BEVで初の年間500万台超え(来期BEVは+246%計画)
- 株主還元:年間配当は95円→100円へ増配方針
- PER 9.4倍:歴史的に見ても明らかな割安水準
近健太新社長が会見で紹介した豊田章男会長の言葉「ブレーキは速く走るためにある」が個人的には刺さりました。下がってもアクセルを踏み続けるという覚悟、好きですね。
ただし、感情で握り続けるのは1月の日産で痛い目を見たので、今回は3,000円割れの定着で逆指値を入れるという絶対ルールを設けます。お祈りトレード、絶対しない。
銘柄深掘り②:任天堂(7974)〜売上倍増の決算で減配ショック〜
そしてもう1社、ずっと注目していた任天堂。Switch 2の好調を受けてどんな最高益決算が出るのか楽しみにしていたのですが、終わってみればPTSで6%超下落という、なかなかショッキングな結果でした。
実は今週、決算発表前に「打診買いしようかな……」と何度も指が動きかけたんですが、最終的に見送りました。これはたまたま外れくじを引かずに済んだだけで、戦略としての勝ちではありません。任天堂についても、決算前に来期見通しの悪材料(メモリ高騰・関税)を織り込めていなかったので、買っていたら間違いなく外れくじを引いていました。反面教師として読んでください。
26年3月期 決算サマリー
- 売上高:2兆3,130億円(前期比+98.6%)→ ほぼ倍増
- 営業利益:3,601億円(前期比+27.5%)
- 当期純利益:4,240億円(前期比+52.1%)
- Switch 2 販売台数:1,986万台(発売初年度として歴代最速級)
数字だけ見れば「圧勝」です。Switch 2の立ち上がりは過去のゲーム機でも経験したことのない販売水準で、『マリオカートワールド』は1,470万本、『ポケモン LEGENDS Z-A』は885万本と、ソフトラインナップも好調そのもの。
ここで「過去最高、買い!」と飛びつくと、まさに今週やられたパターンになります。
「不都合な現実」その①:減益・減配見通し
問題はやっぱり来期見通しです。
- 売上高:2兆500億円(前期比▲11.4%)
- 営業利益:3,700億円(前期比+2.7%)
- 当期純利益:3,100億円(前期比▲26.9%)
- 年間配当:219円→162円(▲57円の減配)
メモリを中心とする部材価格の高騰と、米関税措置で約1,000億円のコスト増を織り込んでいる構図です。
「不都合な現実」その②:Switch 2 を1万円値上げ
そしてもう一つの衝撃が、5月25日からのSwitch 2 全面値上げ。
- Nintendo Switch 2(国内専用):49,980円 → 59,980円(+1万円)
- Nintendo Switch(有機ELモデル):37,980円 → 47,980円(+1万円)
- Nintendo Switch Online 個人プラン12か月:2,400円 → 3,000円
PS5も2026年4月に米国で値上げしているので、ゲーム機業界全体の構造的なコスト上昇ではあるのですが、それでも需要への悪影響は避けられないですよね。
株価の現在地(テクニカル面)
任天堂株は2025年の最高値14,795円から、現在は8,000円割れギリギリの水準まで落ちてきています。最高値からほぼ半値です。
背景にあるのは:
- Switch 2発売による「材料出尽くし」の利確売り
- メモリ価格高騰によるコスト懸念
- 中東情勢悪化によるリスクオフ
- そして今回の減配・値上げ発表
決算発表当日は値上げ発表による「コスト懸念の払拭」期待で一時+4.57%の7,742円まで上昇する場面もありましたが、PTSでは減配を嫌気して6%超の急落となりました。
僕の戦略:パランティアと同じく「ちまちま打診買い」
正直、上場来高値から半値まで落ちてきた任天堂は、長期で見ると魅力的な水準だと思っています。一方で、
- メモリ価格の本格的な落ち着きは早くて2027年後半〜2028年(TrendForce予測)
- 値上げ後の駆け込み需要の反動
- 2026年はソフトラインナップがやや手薄になる懸念
など、まだ短期的なリスクは残っています。なので、僕の方針はこれです。
「1株ずつ、底値を当てに行かず、ちまちま打診買い」
任天堂は1株あたり約8,000円なので、米国株のパランティアと似た感覚で買い下がれます。Switch 2のソフトが2027年以降に積み上がる「任天堂本来のビジネスモデル」が回り始めたとき、評価が戻る可能性は十分にあると見ています。1発で当てにいこうとしないことが大事ですね。
今週のその他注目ニュース
バークシャー、住友商事と丸紅も保有比率10%超え
ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが、住友商事と丸紅の議決権割合をそれぞれ10%超えまで引き上げ、これで5大商社すべてで保有比率10%超えとなりました(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事に続く)。
僕は伊藤忠を200株保有していますが、やっぱり商社株はリスクヘッジ先として優秀だなと改めて感じます。地政学リスクや原油高など外部環境が荒れている今、**「防衛 × 商社」**という組み合わせは、中東有事下でも比較的耐久力のあるディフェンシブな布陣ですよね。商社株の追加買い増しも、来週以降のテーマとして温めておきます。
【特集】バフェット vs 孫正義 〜AI時代のレジェンド対決〜
今週個人的に一番面白かったのが、バフェット(バークシャー)と孫正義(ソフトバンクグループ)の投資手法を対比した記事でした。
- バフェット:割安株を狙い撃ちし、長期で握る古典的バリュー投資(最近は商社など)
- 孫正義:テックに全振り、AI時代の未来に賭ける積極投資(OpenAI等への巨額出資)
真逆を行く現役レジェンドの動きを比較できるのは、本当に贅沢ですよね。投資に正解はないからこそ、両者の戦略から学べることが山ほどあります。個人的には、メイン口座は商社などのバリューで守りつつ、サテライトでテック(テスラ・パランティア・任天堂)に攻めるという、両方のいいとこ取りを続けていきたいなと思っています。
PayPay、純利益3倍増の好決算
スマホ決済大手のPayPayが2026年3月期決算を発表。純利益は前期比約3倍の1,178億円。営業収益も約27%増の3,806億円で、27年3月期は4,600億円程度に伸びると予想しています。クレカや銀行を含めた「経済圏拡大」がきれいに回っており、ソフトバンクグループの成長エンジンとしても引き続き注目ですね。
編集後記:今週の最大の学びは「市場は未来を見ている」
今週はトヨタで含み損を拡大させ、任天堂もタイミング次第では完全に外れくじを引くところでした。圧倒的な調査不足だったと、正直に反省しています。
過去の最高益や売上記録に酔っていると、未来の見通しを織り込めない。 これが今週最大の学びでした。1月の日産損切りで「絶対ルール」を誓ったはずなのに、また感情ベースで握ってしまった反省もあります。
来週からは、
- 決算をまたぐ前に、必ず市場コンセンサスを確認する
- 来期見通しのリスク要因(関税・コスト・為替)を3つ以上書き出す
- 「過去最高」の数字に飛びつかない
この3つをルール化していきます。みなさんも、僕の失敗を反面教師にしてください、、、。
それでも、トヨタも任天堂も企業の根っこの稼ぐ力は健在で、外部要因に押されているだけです。慌てず、焦らず、握力強めで来週も向き合っていきます!
来週も頑張っていきましょー!!
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