【'26/5】④半導体株で攻め、アニメで仕込み、大成建設で大反省。

【'26/5】④半導体株で攻め、アニメで仕込み、大成建設で大反省。

今週の相場格言

『見切り千両、損切り万両』

【Stock With流の解説】 株式投資の世界で最も難しいのは「損切り」だと言われています。「いつか戻るかも」と希望にすがって持ち続けるよりも、自分のルールに従ってスパッと損を確定させることのほうが、長期的には資産を守る上で何倍も価値がある、という名格言です。今週、僕はまさにこの格言の重みを骨身に染みて味わうことになりました…。

今週の相場振り返り:金利急上昇でハイテク・建設に明暗

みなさん、今週もお疲れ様でした! 今週の相場のメインテーマは、なんと言っても**「世界的な長期金利の急上昇」**でしたね。

中東情勢の長期化による原油高、それに伴うインフレ警戒、そして各国の利上げ観測…。米10年債利回りは1年ぶりの4.6%台、日本の10年債も29年ぶりの高水準と、歴史的な水準まで金利が跳ね上がりました。

こうなると、お金を借りて事業をしている企業(不動産・建設など)には逆風、一方で自社株買いや株主還元を強化している優良企業には資金が集まる、という二極化の動きが鮮明になった一週間でした。

今週のMyトレード:信越化学を仕込み、大成建設を損切り

今週の僕の動きは、攻めと撤退の両方がありました。

  • 信越化学工業(4063):新規購入
  • 大成建設(1801)全株損切り(涙)

特に大成建設は先々月まで「ブルーカラーの逆襲だ!」と意気込んでいた銘柄なだけに、ショックが大きかったです…。一つずつ振り返っていきます。

銘柄深掘り①:信越化学工業(4063)〜半導体の縁の下の力持ち〜

まず今週、新たにポートフォリオに加えたのが信越化学工業です。

なぜ今、信越化学なのか?

信越化学と聞いて「ピンとこない」という方も多いかもしれませんが、この会社は世界トップシェアの半導体ウェハー(シリコン基板)メーカーです。エヌビディアやTSMCがどれだけ華々しいAIチップを作っても、その大元の素材であるウェハーがなければ何も作れません。まさにAI半導体ブームの「縁の下の力持ち」ですね。

ファンダメンタル面:減益でも目線は上

2026年3月期の決算は、売上高2.57兆円(+0.5%)、営業利益6,352億円(−14.4%)と減益でした。塩ビ事業の低迷が響いた形です。

ただ、僕が買いに動いたのには明確な理由があります。

  1. 電子材料事業は好調 — 減益の主因は塩ビ事業で、本業の半導体材料は引き続き強い。
  2. 自社株TOBを5/20に発表 — 大規模な株主還元策で、需給の引き締まりが期待できる。
  3. 米系大手証券が目標株価を8,300円→8,600円に引き上げ — プロも強気目線。

テクニカル面:年初来高値からの押し目

5月上旬に年初来高値7,883円をつけた後、決算明けで7,000円台前半まで調整。「強い銘柄の押し目」というセオリー通りの形と判断しました。中東情勢を理由に**「次期業績予想を未定」としているのは気になりますが、これは裏を返せば「悪材料が織り込まれた状態」**とも言えます。AI半導体の長期トレンドに乗る、長期ホールド前提の一手です。

銘柄深掘り②:東映アニメーション(4816)〜次の仕込み候補〜

そしてもう一つ、今週ずっと睨んでいたのが東映アニメーションです。まだ買えていませんが、近いうちに動きたいと思っています。

なぜ東映アニメに注目しているのか?

理由はシンプルで、世界に通用するIP(知的財産)を山ほど持っているからです。「ワンピース」「ドラゴンボール」「プリキュア」「スラムダンク」「セーラームーン」…。これらは数十年経っても色褪せず、世界中で稼ぎ続けてくれる「金の卵」です。

特に今週、関連ニュースで気になったのが「W杯放映権を巡るFIFAと中国の交渉」の話。FIFAが当初提示額の1/5まで折れたという報道で、これは「中国市場のエンタメ消費パワーの凄まじさ」を改めて見せつけられた事例だと思っています。アニメも同じで、中国・北米でのコンテンツ需要は今後も伸びる一方。日本のアニメIPは、まさに「世界に売れる数少ない日本産プロダクト」です。

直近決算と現状

第3四半期決算は売上高671億円(−7.6%)と減収ながら、営業利益は微減、経常・純利益は増益。自己資本比率85%超という鉄壁の財務も魅力的です。さらに2026年秋には「ドラゴンボール超 ビルス」の新作放送も控えており、IP×新作放送の鉄板パターンが期待できます。

戦略:押し目を待つ

ただ、株価は決算後にやや軟調。「決算をまたいで仕込むより、押し目を待ったほうがいい」と判断して、今週は見送りました。来週以降、明確な下げ止まりを確認してから打診買いに行きたいと思っています。

銘柄深掘り③:大成建設(1801)〜痛恨の損切り〜

そして、今週最大の反省点がこちら…。先週「綺麗な右肩上がりだ!」と意気揚々と買い増した大成建設を、全株損切りしました。

何が起きたのか?

5/14(木)に発表された通期決算が、株式市場にはサプライズの悪材料として受け取られました。

  • 売上高2.1兆円(−3.0%)
  • 営業利益1,880億円(+56.4%)
  • ROE 14.7%(+4.2pt)

数字だけ見ると「営業利益+56%!?すごい好決算じゃん!」と思いますよね。僕も最初そう思いました。ところが、株価は決算発表当日に約−10%、翌日にもさらに−8%超の急落。まさに「決算ギャップダウン」を食らった形です。

なぜ好決算で売られた?

これは僕も後から色々調べて納得したのですが、

  1. 「材料出尽くし」感 — 好決算は既に株価に織り込み済みだった。
  2. 来期見通しの慎重さ — 中東情勢や原材料高への警戒で、市場期待ほど強気のガイダンスが出なかった。
  3. 建設セクター全体の調整 — 金利急上昇局面では、借入コストが重くのしかかる建設・不動産は売られやすい。先週の記事では「金利上昇は懸念」と書きながら、その重みを甘く見ていました…。

損切りの決断

僕は『見切り千両、損切り万両』を実行することにしました。買値より約9%下で全株を処分。今年最大級の損失でしたが、ズルズル持ってさらに下がるリスクを避けたかった。「割ったら切る」というルールを、今回は守れたことだけが救いです(1月の日産の二の舞は避けられました)。

学び

今回の最大の反省は「セクターのマクロ環境を軽視したこと」です。チャートが綺麗に右肩上がりでも、金利環境がガラッと変わるだけでセクター全体が崩れることがある。「個別の強さ」と「セクターの追い風」は両方確認しないとダメだと、痛感した一週間でした。

今週の注目ニュースまとめ

ここからは、今週Notionに溜めた気になるニュースを一気に解説していきます。

① 京セラ子会社部品がロシアのミサイルに使用

英FT紙が、ロシアの巡航ミサイル「Kh101」に京セラの米子会社製コンデンサーが使われていたと報道。欧米の対ロシア制裁をくぐり抜けて調達されたとみられます。京セラ自身に責任があるわけではないですが、「戦争関連で間接的に名前が出る銘柄のチャートは強くなりがち」というのは投資家としては要チェックポイント。倫理的な是非は別として、京セラのチャート自体は確かにいい形をしているので、注視しています。

② 世界の長期金利が記録的水準に

今週のメインテーマです。米10年債4.6%、日本10年債2.73%(29年ぶり)、日本30年債は初の4%超え。金利上昇は金融株にはプラスですが、製造・建設・不動産にはマイナスに働きます。でも逆に言えば、優良な製造・建設株が叩き売られている今こそ仕込み時とも言えますね。来週以降、押し目買いのチャンスを探ろうと思います。

③ トランプ大統領がくら寿司USA株を購入

トランプ氏が第1四半期にくら寿司USA株を約100万〜500万ドル分、日本株ETFも購入していたことが判明。発表後、東京市場のくら寿司株は一時5.4%高と即反応。「トランプが買う銘柄に追随する」というテーマトレードはハマる時はハマるので、頭の片隅に入れておきたい話題です。こんなこともあるんですね、おもしろい。

④ 中国経済が急減速

4月の中国経済指標がボロボロ。小売売上高+0.2%(予想+2%)、工業生産+4.1%(予想+6%)、固定資産投資−1.6%(予想+1.7%)と、全項目で予想を大幅に下回りました。一見すると中国オワコン論が強まりそうですが、僕個人としては「中国のイノベーション力はまだ衰えていない」と見ています。AI・EV・太陽電池など、量産規模で世界をリードしている産業も多いので、ぱっと見の悪い数字に振り回されず、本質を見極めたいところです。

⑤ FIFAがW杯放映権で中国に「白旗」

FIFAが当初提示額の1/5まで譲歩して中国と合意。世界のデジタル視聴の49.8%、決勝の61.9%が中国というデータには驚きました。「コンテンツビジネスにおける中国市場の重み」を改めて感じる事例で、これは東映アニメへの注目を強めるきっかけにもなりました。

⑥ 任天堂とソニーの決算分岐点

同じ日に発表された両社の決算。任天堂はSwitch2が初年度2000万台売れて売上倍増したのに、営業利益は3割弱しか伸びず、翌日株価が9%下落。一方ソニーはハード成熟期で「ソフトで稼ぐ」体制が機能。任天堂は今がハードを売る投資フェーズ、ソニーはソフト収穫期、というフェーズの違いが鮮明に。任天堂は家庭向けで価格に敏感、ソニーは年齢層が高くて経済的余裕あり。さらに任天堂はソフトが自社製なのに対し、ソニーはサードパーティ手数料モデル。どっちも違った魅力があるので、両方ウォッチを続けたい銘柄です。

⑦ クラウド3強のAI覇権争いに異変

AWSの世界シェアトップを、Azure(マイクロソフト)とGoogle Cloudが激しく追い上げているという話。「成長性ではライバルが王者を上回る」と。AIエージェント時代に「裏方インフラ」を制した企業が次の覇者になるので、米国株を持っている人は要チェックですね。

⑧ ペロブスカイト太陽電池、中国が量産で先行

日本発の技術なのに、中国GCLが世界初の1GW級量産工場を稼働。積水化学工業は10MW規模からのスタートで、スケールが100倍違う。日本の勝ち筋は「価格競争から降りて建材一体型サービスで戦う」こと、と記事は結んでいました。「液晶・シリコン太陽電池の二の舞」にならないか心配です。

⑨ 不動産大手が最高益でも株価暴落

三井不動産、三菱地所、住友不動産が揃って過去最高益を出したのに、株価は年初来高値から3割前後下落。野村証券は目標株価を引き上げ「Buy」を維持しているにもかかわらず、です。「好決算でも売られる」のは、まさに今週の大成建設と同じ構図。金利上昇局面では、業績よりも金利の重みが勝つ典型例ですね。来週以降、不動産大手の押し目買いも検討してみる価値はあるかもしれません。

編集後記:負けた週こそ、学びは多い

正直、今週は精神的にしんどい一週間でした。大成建設で大きな損失を出し、買い増しした分の自信もぐらつきました。

でも、信越化学という新しい主力候補を仕込めたこと、東映アニメというワクワクする次の一手が見えていること、そして何より「ルール通りに損切りできたこと」。これは進歩だと思っています。

来週は東映アニメの押し目をしっかり拾いに行きたいですね。そして、金利急上昇で叩き売られた優良株の中から、次のチャンスを探していきます。

『見切り千両、損切り万両』 ── 今週の格言、一生忘れないと思います。

来週もみなさん、生き残りましょう!コメント等はDMまで!


おまけ:今週の学びに繋がる関連知識

最後に、今週のテーマに関連して、知っておくと役に立ちそうな知識をいくつか共有します。

① 「好決算で売られる」現象の正体(セル・ザ・ファクト) 「事実で売れ(Sell the Fact)」という相場格言があります。期待で株価が上がり、決算という「事実」が出たタイミングで利確売りが入る現象です。決算前に大きく上昇していた銘柄は、好決算でも下がるリスクがあると覚えておくと良いです。

② 金利と株価セクターの関係 金利上昇局面では「金融株(買い)」「ハイテク・グロース株(売り)」「不動産・建設・公益(売り)」が定番の動きです。逆に金利低下局面ではグロース株が買われやすい。マクロを見るときは、まず10年債利回りをチェックする習慣をつけると、セクター選びの精度が上がります。

③ 自社株TOBは強い買いシグナル 信越化学が今週発表した「自己株式公開買付(自社株TOB)」は、市場価格より高い値段で会社が自分の株を買い取る仕組み。需給が引き締まり、1株あたり利益(EPS)が向上するので、長期投資家にとっては大きな追い風です。発表銘柄は要チェック!

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